越智貴雄

切断ヴィーナス

彼女たちは、隠さない。

義足も、過去も、痛みも。

すべてを抱えたまま、
自らの存在と向き合い、まっすぐに「今」を生きている。

隠すのではなく、見せる。

それは、痛みではなく──意志のかたち。

誰かの基準ではなく、「自分のままで在る」ことの美しさを、彼女たちは体現している。

強さとしなやかさ。

対極に思えるそのふたつが、
ひとつの身体のなかで共存し、新たな美の輪郭をかたちづくっていく。
彼女たちは、自らのまなざしで「美」を更新している。

病や事故を経て、
義足で生きるアスリート、アーティスト、会社員たち。


彼女たちに宿る意志と美しさ、そして生きるエネルギーを写しとった。

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